18歳。
私は、ひとり、横浜港北区の手作りのアパートに住んでいた。
大家が手作りでつくりあげたアパートなので、天井が頭にくっつきそう、
壁はすべて白。ペンキの匂いが・・・そして、最初はキレイと思ったが、
梅雨の時期、あっというまに、カビがはえてきて、真っ黒になってしまった。
キャベツとインスタントラーメンだけの日々。
朝から晩まで、本を読んで過ごした日々。なつかしい。
今のように、スマホも気楽に音楽を聴く装置もなく、私は気がむくと、横浜の名画座、
池袋の名画座、そして、横浜のjazz喫茶ダウンビートにたむろした。
となりにいた高校生の同級のk君が、プレーヤーを持っていたので、
夜ともなると、この「りりい」の曲をかける。
月、5000円の部屋。
友達は皆、20000円くらいの部屋に住んでいたから、ここはやはりとんでもないアパートだったと思う。
八人が住んでいるこの狭い、小さな、良く言えばモダンアートのようなアパートメント、悪く言えば、巨大なコンクリートの固まりをそのままどーんとおいたような小屋だった。
ここは私の原点の「場」。
悩むと、ここにもどる。
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りりい 私は泣いています
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