Quantcast
Channel:   心のサプリ (絵のある生活) 
Viewing all articles
Browse latest Browse all 15585

瞬間のなかの永劫を求めて

$
0
0

Woodstock - Ten Years After - I'm Going Home




 若い頃の感動した、たとえば、このアルヴィン・リーのロックにしても、ウッドストックのメンバーにしても、ほとんどアメリカ生まれのサウンドである。(ミックはイギリス)

 そこに、私の時代はまだ、フランスやらイタリアやらドイツやら、の例えば、二ノ・ロータなどの、古典的なイージーリスニング的な美しいサウンドがプラスされる。


 ウッドストックでも、本質的なところで議論されたのは、呼吸法の訓練などで、変成意識が生み出せるかということだろう。
 それができない若者は、皆、ドラッグをやっていたと思う。

 思えば、不思議な時代。

 日本がアメリカの妾とか、笑われた時代かもしれない。


 伝統的な音楽の排除。
 シュールとダダの台頭。
 破壊と否定。


 当時のロック・スターや、jazzmenは、皆死んでしまった。

 聞いたところ、あらゆる職業で一番短命なのは、詩人と、ロック・ミュージシャンらしい。


 一番長生きなのは、坊さん。


 だから、ミック・ジャガーと、谷川俊太郎と、瀬戸内寂聴女史は、すごいと思う。



 私は、これらの曲を聞いたり、当時の名画を見たりするのは、その時の自分の心の位置をたしかめたり、ときめいたりした空気感を味わいたいだからだと、思っている。



  思想的な共鳴ということを考えると、まったく今とは違う。


  シュールもダダも、満足できない。
  今は、ゲーテのような、小林秀雄氏のような、巨大な考え方に触れていたい。
  (そう考えると、若い頃から読んでいた、三島由紀夫氏・小林秀雄氏・ドイツ浪漫派などは、
  自分の血肉に少しはなっているのかもしれない。)


  そして、深く共鳴するのは、日本と西洋の古典である。
  300年の歴史しか持っていないアメリカと違い、時間のヤスリで
  磨かれた古典・伝統というものは、やはり、重くて、深いのだと思う。


芸術新潮 2013年 02月号 [雑誌]/新潮社

¥1,500
Amazon.co.jp




   しかしながら。

  当時の私は、このウッドストックをわざわざ、札幌までひとりで見に行き、感動して、それからはずっとロック派になった。
  瞬間の中の永劫という好きな言葉とこの時、ロックは重なり合ったのだった。


  今。還暦一歩手前で、瞬間の中の永劫という言葉が、バロックの音楽と重なり合うように。




何歳のころか。
 「惑星ソラリス」を見て、心から感銘した。
 そして、このシーン。
 バッハは高校生の頃から好きだったが、さらに、神秘も含めて、好きになった。
 ・・・・タルコフスキーという天才監督のおかげでしょうか。


 誰しもが、心のなかの悪魔を「惑星ソラリス」の力で、呼び起こされているというのに、
 彼だけは、昔愛した自分の妻を、潜在意識のなかから、呼び出してしまう。
 その愛と葛藤・・・・・・
 SFの名作古典。
 私が強烈に、影響を受けたSF映画、「ブレードランナー」「2001年宇宙の旅」「コンタクト」そして、この「惑星ソラリス」。




Viewing all articles
Browse latest Browse all 15585

Trending Articles