$ 0 0 無形文化遺産への和食の登録に向けた活動に取り組んできたNPO法人「日本料理アカデミー」理事長で、老舗料亭「菊乃井」主人の村田吉弘さん(61)は登録決定後、京都市東山区の菊乃井本店で報道関係者の取材に応じ、「長かったけど、これからが出発だと思っている」と喜んだ。ハンバーグ、カレー、スパゲティ…「一汁三菜」食育の好機に 村田さんらは平成23年、和食を無形文化遺産に登録するよう京都府に提言。その後、国が登録に向けた運動を本格化させた。今回の朗報に「日本国民が食べ続けたものをもう一回見直す大きなチャンスだと思う」と決意を新たにした。 村田さんは同アカデミーの活動として、京都市内の小学校などで食育の講座を開き、子供たちにダシのうまみや和食のおいしさを教えている。子供の食卓から、米に煮物やみそ汁を合わせた「一汁三菜」の形が失われつつあると感じているからだ。 「子供たちに好きな料理を聞いたら、ハンバーグ、カレー、スパゲティと言う。それってどうなのと思う。洋食化で大きくはなったが、肥満や生活習慣病などが増加している。もう一度、日本人が50年前に食べていたものに戻るべきだ」と語る村田さん。 海外では日本食がブームだが、反対に日本では米やみその消費が減るドーナツ化現象が生じている。そんな現状を見直すチャンスだととらえ、「日本の食べ物が世界で一番だと思っている。海外に輸出していく上でも登録は大きい意味がある」と評価した。 今後の目標については「日本料理を世界の料理にする。(和食の)高等教育機関を設立したい。給食や食育に和の文化を取り入れたい」と語った。