バッハの音楽は、よく映画には使われていますが、この「惑星ソラリス」の中の、バッハの使われ方には、もう、まいりました。
曲がバッハの曲で、No.1に好きな曲なうえに、タルコフスキー監督、とくると、もうそれだけでも感銘なのですが、この原作をたまたま私が、若い頃に読んでいるものですから、さらにさらに、思い出深いものになります。
さらに、「惑星ソラリス」に出て来るブリューゲルの絵「雪の中の狩人」は、無意識にインプットされるような不思議な絵。
北国の神秘を描き尽くしたような絵画です。
たしか、「メランコリア」にも使われていた独特の味のある絵画です。
潜在意識を顕在化させるという能力を持つ惑星ソラリス。
死んだ筈の、妻を生き返らせ、主人公の男の心をコントロールし始めます。
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SFでは、この「惑星ソラリス」、キューブリックの「2001年」そして、「コンタクト」これが、私のfavoriteですね。
映画は、たしかに、現実とは違う、あくまでも、夢の筈です。
でも、私のような、現実が夢で、夢が現実かも、とたまに思うような人間にとっては、映画は、心のどこかで確かに経験している、私の現実でもあります。
脳の進化・
体と脳の関係については、かなりの緊密ということはあたりまえのことですが、目の前の見える現実だけに左右されずに、見えない何かも含めて、しっかりと深化していけばと考えているのですが、今年はどうなるのでしょうか・・・
資料
『惑星ソラリス』と比較されることの多い『2001年宇宙の旅』を公開直後にタルコフスキーは観ているが、「最新科学技術の業績を見せる博物館に居るような人工的な感じがした」「キューブリックはそうしたこと(セットデザインや特殊効果)に酔いしれて、人間の道徳の問題を忘れている」とコメントしている。また劇中で、人間の心の問題が解決されなければ科学の進歩など意味がないという台詞をスナウトに語らせている。
未来都市の風景として東京の首都高速道路が使われているが、「タルコフスキー日記」によれば、この場面を大阪万博会場で撮影することを計画していたものの当局からの許可が中々下りず、来日したときには既に万博は閉会。跡地を訪ねたもののイメージどおりの撮影はできず、仕方なしに東京で撮影したとのことである。
日本公開は1977年。かねてから親交のあった黒澤明が紹介に努めたが、SFファンなどからは酷評された。その後、各種の上映会等で徐々にタルコフスキーの理解者が増えていき、現在では名作の誉れが高い。黒澤は後に、熊井啓 の手により映画化された『海は見ていた』(英題:" The sea " watches . )の脚本で、『惑星ソラリス』と同様に、「海」の持つ 「限りない優しさ」 を描くことになる。 黒澤とタルコフスキーは、酒が入ると、ともに『七人の侍』のテーマを合唱するなど、肝胆相照らす仲だった。
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シネマと バッハ
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